UGC動画の依頼、何を伝えればいい?制作範囲・修正・広告利用をそろえる発注ガイド
この記事の目次
「UGC動画を数本お願いしたい」と伝えたのに、見積もりの内容が会社ごとに違う。納品された動画はよくできているが、広告に使えるか分からない。こうした行き違いを減らすには、制作会社を探す前に何を作るか、どこで使うか、誰が確認するかをそろえることが大切です。
この記事では、企業のSNS・EC担当者に向けて、UGC動画の依頼項目、見積もりの比較方法、修正と再撮影の分け方を整理します。最後の依頼書テンプレートは、未定の項目を残したまま相談に使えます。料金の一覧ではなく、必要な支援を判断するためのガイドです。
UGCと「UGC風の広告動画」を分けて考える
UGCは一般に、利用者が制作・投稿したコンテンツを指します。一方、企業が企画や出演を依頼し、生活者の目線を取り入れて作る動画は、UGC風の広告クリエイティブとして整理すると発注内容が明確になります。本記事で扱うのは主に後者です。
自然な語り口にすることと、企業が関与していることを隠すことは別です。既存の利用者投稿を使いたい場合も、転載、編集、広告配信のそれぞれについて利用条件を確認します。依頼する制作動画と、利用許諾を得て活用する既存投稿を混ぜて発注しないようにしましょう。
最初に決めるのは「見た後に何をしてほしいか」
認知を広げる動画、商品ページで疑問を解消する動画、広告から商品詳細へ進んでもらう動画では、必要な構成が異なります。「売れる動画」という言葉だけでは、出演者も制作者も何を優先すべきか判断できません。
例えば収納用品なら「サイズが合うか不安な人に、引き出しへの収まり方を見せる」。化粧品なら「容器の使い方を知りたい人に、取り出し方を見せる」。これは企画の例であり、効果を実証した事例ではありません。商品の特長を全部並べるより、ひとつの購入前の疑問と、見せたい場面を依頼書に書く方が構成を検討しやすくなります。
UGC動画を依頼するときの7つの確認項目
項目 | 依頼書に書くこと | 未定の場合の伝え方 |
|---|---|---|
目的・視聴者 | 誰のどんな疑問を解決し、次に何をしてほしいか | 現在の商品ページや投稿の課題を共有する |
掲載先 | SNS通常投稿、広告、EC商品ページなど | 候補を挙げ、優先する掲載先を相談する |
成果物 | 尺、本数、縦横比、字幕や音声の有無 | 本数だけでなく想定する使用場面を伝える |
制作範囲 | 企画、台本、出演、撮影、編集の担当 | 社内で用意できるものを先に書く |
素材・商品 | 商品提供、説明資料、既存映像、返送の要否 | 利用できる素材の一覧と不足を共有する |
利用条件 | 媒体、期間、地域、広告利用、再編集の希望 | 将来使いたい場所も含めて確認する |
確認・日程 | 確認者、初稿日、修正範囲、公開希望日 | 公開したい日と社内確認に必要な日数を伝える |
「動画3本」も、別々の企画を3本作るのか、ひとつの撮影から冒頭だけ変えた3パターンを作るのかで工程が変わります。納品本数と企画数、撮影回数、差分の数を分けて書くのがポイントです。構成の組み立て方はUGC動画の30秒台本と撮影指示の作り方で具体化できます。
見積もりは金額の前に「含まれる工程」をそろえる
ある見積もりには出演者の手配が含まれ、別の見積もりでは支給素材の編集だけが対象かもしれません。総額だけを見て比較すると、発注後に必要な作業が増えたとき、当初想定とずれます。まず同じ依頼書を渡し、項目ごとに「含む・別途・対象外・要相談」を確認してください。
- 企画:構成案、台本、訴求の整理を誰が行うか。
- 撮影:出演者、撮影場所、小道具、商品の発送・返送をどう扱うか。
- 編集:字幕、音声、BGM、サムネイル、尺や比率の差分がどこまで含まれるか。
- 納品:完成動画だけか、字幕なし版や元素材も必要か。
- 追加対応:再撮影、企画変更、利用期間の延長をどう見積もるか。
価格が決まる前でも、必要な工程は整理できます。予算が未定なら無理に埋めず、優先したい成果物と、削れる作業を伝えましょう。タレントラボでは、UGCコンテンツ制作・SNS運用の相談内容をもとに範囲を整理し、個別に見積もります。
修正と再撮影は、撮影前に分けておく
字幕の誤字訂正と、出演者の話す内容を変えて撮り直すことは同じ作業ではありません。「修正対応あり」だけで合意せず、台本、撮影、編集のどの段階で何を確認するかを決めます。修正を減らすために、商品の表現、必須カット、言ってはいけないことを撮影前に確認する進め方をおすすめします。

例えば、編集初稿の段階で「手元だけではなく顔出しにしたい」と変更すると、編集だけでは対応できないことがあります。出演範囲や撮影場所は台本確認時に合意し、初稿では字幕の読みやすさやカットのつながりを確認する、と分担すると判断が進みます。
社内の意見は窓口をひとつにまとめ、「どの場面を、何の理由で、どう変えるか」をタイムコードと一緒に渡します。複数人の相反する指示をそのまま送らず、最終判断する担当者を決めておくことも依頼側の準備です。
広告利用・出演・表示の確認を納品後に残さない
完成動画をInstagramに投稿した後で、広告やECサイトにも使いたくなることがあります。予定する媒体、期間、編集の可否を事前に共有し、出演者、音楽、画像など、それぞれの素材に必要な条件を確認してください。「商用利用可」という説明だけで、希望するすべての使い方が含まれると判断しないようにします。
広告であることの表示について、消費者庁のQ&Aは、事業者の表示への関与や、一般消費者にとっての分かりやすさを具体例で説明しています。動画やSNSの表示は、記載する言葉だけでなく見え方も確認する必要があります。依頼内容に合う条件を消費者庁のステルスマーケティングQ&Aで確認し、公開前の確認担当を決めましょう。
商品を使っていない人の感想を、実際の購入者の体験として作ることは避けます。AIで作成した人物や場面を使う場合も、実際の利用者による実証やレビューと誤認させない説明が必要です。商品の性質に応じた表現確認も、企画時点から工程に入れてください。
そのまま使えるUGC動画の依頼書テンプレート
次の項目をメールに貼り付け、決まっている範囲だけ記入してください。希望と確定事項を分けると、制作側から代案を出しやすくなります。
商品・サービス名/公開URL:
相談の背景と現在の課題:
届けたい相手と購入前の疑問:
動画を見た後に取ってほしい行動:
掲載先(通常投稿・広告・ECなど):
希望する尺・本数・縦横比:
社内で担当できる工程:
依頼したい工程:
提供できる商品・画像・資料:
出演者と撮影場所の希望:
必須の表現/避けたい表現:
広告利用・利用期間・再編集の希望:
希望公開日と社内確認担当:
予算感(未定可):
今回いちばん相談したいこと:納品後は、次の制作に使える形で振り返る
再生数だけで判断せず、最初に決めた目的と比較します。商品への理解を促す動画ならどの説明で反応が変わったか、広告なら掲載先や配信条件が同じかを確認します。条件が違う動画同士の差を、構成だけの効果と決めつけないことが重要です。
最初の発注では、何を変えて比較するのかも一緒に整理しておくと、追加制作が単なる本数の追加になりにくくなります。UGC型SNS運用の指標と改善テストも参考にしてください。
依頼内容が未定でも、課題から相談できる
発注前にすべてを決める必要はありません。「商品写真はあるが、台本と出演者は未定」「動画は社内で作れるが、投稿計画を相談したい」など、用意できるものと足りないものが分かれば相談を始められます。
タレントラボでは、依頼範囲を整理したうえで個別に見積もります。UGC動画の制作・SNS運用について相談するから、現在の課題と希望する使い方をお知らせください。
文・構成:SIGNAL編集部。図表は編集部による設計例、サムネイルはAI生成のイメージです。特定企業の制作実績や効果測定結果を示すものではありません。参照資料確認日:2026年9月28日。
実践に向けて、次に確認すること
対象の商品・サービス、届けたい相手、公開する媒体を整理し、社内で用意できる素材と制作・運用を依頼したい範囲を書き出してみてください。
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